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本文へジャンプ 松商監督 小林正則  

『佐々木先生への手紙』その2(原文は手書き)


拝啓
 秋もいよいよ深まってきました。里へ下りてきた紅葉も、ちょうど今が見頃になっています。夕方の練習も寒さが気になり出しましたが、きっと北海道では、長野よりも足早に冬へと向かっていることと思います。
 さて、遅くなりましたが、お手紙ありがとうございました。
自分の思いだけで書いた、一方的な手紙にお付き合い頂いただけでなく、心温まるお手紙まで頂きました。全国選抜に何とか出場は決まったものの、成績的にも内容的にも不本意で(男子)その原因が技術的・体力的なものでなく、精神的なものであったので、指導者として落ち込んでいる時に手紙が届きました。
 テニス部の生徒たちに佐々木先生のことを紹介させて頂きつつ、先生のHPの「Change of pace」を(勝手ながら)紹介し、皆で勉強しました。
読解力が不足がちな生徒たちですが、真剣に読み、そして鋭い感覚で感想を書いてくる生徒も居ました。選抜の北信越予選があの様な形で終わったこともあり、ちょうどタイムリーだったのかも知れません。
 そんな折り、岡山国体から戻った翌日10/26(水)北野さんから突然電話があり、今、松本に戻ったとのこと。夕方、コートにも顔を出してくれました。帰省は正月以来で遅い夏休みだそうです。
練習終了時のミーティングでも、後輩たちに話をしてくれました。
「高校でのテニス部での活動が、今の仕事の糧になっている」とも言ってくれました。
その2日後、北野さんと御両親、そして北野さんの中学校の恩師である南原先生と一緒に、食事をすることになりました。前々から、北野さんが私たち2人の先生を招待すると約束していたのですが、ここに来てやっと実現し、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 北野さんに佐々木先生のことをお話をして、「ないしょの手紙」を渡しました。
(先生の許可を取らずに渡してしまいましたが、きっと北野さんにとって、プラスになると確信してのことですのでお許し下さい)
読み終えた本人はもちろんのこと、お母さんたちも感激している様子でした。
「ないしょの手紙」の日付が「H8年8月19日」とありましたから、何と9年2ヶ月と1週間かかって届いた手紙ですね。今はE-mailで秒単位で届く時代なのに、不思議な感じがします。
 以前、南原先生とも話をしたことがあるのですが、北野さんには乗り越えなければならない幾つかの壁があり、その度毎、努力して(時には悩みながら)クリアしてきたようです。当然、高校3年生の時にもあったと思いますし、それから彼女の9年間がありました。
そして、先生の手紙が、9年余りかかって彼女の手元に届きました。
9年経った今だからこそ、感激したこともあったと思います。
そして、この手紙が、仕事で疲れている今の彼女を、励ましてくれたと確信しています。
本当にありがとうございました。
 E-mailでこの手紙を書こうと思っていたのですが、北野さんが高校3年次、大学受験のために書いた自己推薦書(下書き)が出てきましたので、同封するならと思い、また手書きになってしまいました(乱文乱筆ですみません)
他の人に読んでもらっても構わないと、北野さんから許可を取ってある原稿です。本校だけでなく、県内外のテニス関係者も大勢読んでいますが、他への転用や、原稿が1人歩きすることがないようにだけはいつもお願いをしています。
 先生からお手紙を頂いてから、北海道の天気予報も気になるようになりました。
明日から11月。お体を大切に。
それでは。                              敬具
      H17年10月31日(月)
小林 正則

PS 今週末は石川へ、来週末は茨城へ遠征です。