H17全国高体連登録状況は少子化傾向が顕著
平成17年9月19日
管理者:長野県高体連テニス部委員長 下岡隆志 管理者へe-mail
 17年度(2005年度)の全国高体連競技別登録状況が、財団法人全国高等学校体育連盟サイト上に H17高体連加盟状況(PDF) PDF版
発表になりました。さっそく昨年までと同様、専門部別の表にデータを落としてみました。
 高体連32専門部の中でテニスは、昨年までと同じ、1位バスケットボール、2位サッカーに続いて、加盟者数12万3558人で、第3位でした。以下、4位バレーボール、5位バドミントン、6位ソフトテニス、7位陸上、8位卓球、と続きます。ここ数年男子を中心に登録者数をのばしてきたテニスですが、ついに本年度登録者数が減少に転じました。急激に進む少子化とそれに伴う高校の統廃合の波がテニスまで及んできたようで、「テニスの王子様」ブームもかげりが見えてきました。圧倒的な人気で登録者数をのばしてきたサッカーも、テニスと同じ規模で本年度登録者数を減じていますので、この傾向は高体連全体の中で今後続いていくのだろうと思います。 上位種目の中で、登録者を増やしているのが、4位のバレーボール・5位のバドミントン・6位のソフトテニス・8位の卓球です。バレーボールは男子で減少しているものの女子で増加、これはやはり「アタックNo1」効果と考えられ、一過性のものだと思われます。バドミントン・卓球は屋内競技で日焼けしないことが女子の支持を受けているのでは、と数年来考えてきましたが、バドミントンなど女子が減少して男子で増加している状況がありますので、別の要素があるのだかもしれません。
 ソフトテニスの増加の原因は、私自身昨年まではよくわからなかったのですが、中学時代に経験している隠れた大きな競技人口のせい、と思うようになりました。実は私の学校には、昨年までソフトテニス部が存在しなかったのですが、本年度ついに同好会として発足してしまいました。部員は15名ほどで、ほとんどが中学校時代ソフトテニスの経験者です。いまままでどの部にも入っていなかったのですが、「少しは運動もしたい」ということで立ち上げたようです。今回このデータの分析に当たって、久しぶりに(財)日本中学校体育連盟サイトを覗いてみました。そこに掲載されている中体連の種目別登録状況を分析してみて、私は初めて驚愕の事実を発見しました!(ちょっと大げさかな)。皆さんは、知っていましたか?中体連の全種目の中で、加盟生徒数第1位の種目はソフトテニス(396,148人)なのです!。以下、2位バスケットボール、3位軟式野球、4位バレーボール、5位卓球、6位サッカーと続きます。われらのテニスは、中体連では正式種目ではなく、参考種目でしかありません。しかしながら参考種目25競技の中では、登録者数36,521人と他種目を圧倒しています。でも正式種目の王者ソフトテニスは、その10倍!。いかに中学校でテニス競技が冷遇され、いかに高校で健闘しているかは、ご覧頂いている通りです。

 同じ調査が高体連テニス専門部独自に行われて、その集計と分析が全国高体連テニス部常任委員会サイトに掲載されています。その加盟校数データが男女とも60校前後、全国高体連発表の校数より多くなっています。「なぜだろう」とずーっと考えて来ましたが、全国高体連テニス部独自調査には、高等専門学校(高専)と定時制・通信制高校の名前も載っています。高専は全国高専大会に、定時制・通信制は全国定通大会に出場することができるのですが、全日制高体連の大会にも出場が認められています。テニス専門部独自調査では、実際に出場しているそれらの学校をカウントして、高体連調査ではそれらの学校は、それぞれ高専・定通の統計に掲載しているのだかもしれません。もう一つ、それでいて全国高体連登録者数が、テニス部独自調査の部員数より多くなっています。全国登録者数は、実際に登録料を高体連に納入した数ですので、実際の部員はそれ以上いるかもしれませんがその内登録した数に関しては、絶対に確実な数字です。テニス部独自調査は4月末の段階で各顧問によって行われますが、その後新たに入部した1年生や4月時点で未登録の選手を随時高体連に登録して行きますので、その集計時期の違いから出てきた誤差なのかもしれません。

 私の所に「なぜ野球が統計に載っていないのか?」という質問がいくつか来ました。確かに大変不思議な話しなのですが、野球(硬式・軟式)は「高野連」という独自の強力な組織を持っており、それ以外の全32種目は、「高体連」に統一して所属しています。駒大苫小牧高校の部長の暴力事件以来、部内の問題で処分される高校が相次いでいますが、あの方針や処分は「高野連」のものであって、「高体連」とは関係しませんので、誤解なきようお願いします。

 ここに掲載しました17年度全国高体連競技別登録状況一覧表は、「どこに掲載されている一覧表なのか?」という質問もまいりますが、これは上記全国高体連サイトに種目別に載っているデータを、私が独自に拾い上げて表にしたもので、どこにも存在しません。