「26th SENBATSU」、終了しました!
平成16年3月27日   管理者 下岡隆志
 本日(3/27(土))個人戦決勝が終わり、今年の「SENBATSU」は終了しました。いろいろな方から「観戦記書いてね」、「楽しみにしてます」などと言われたのに、ついつい今日まで書かないまま過ごしてしまいました。なぜかと言うと、申し訳ありません、実は私、あまり試合を見ていなかったのです・・・。

○抽選会の方法 3/21(日)
 午後から冷たい雨が降って、天候が心配される中、福岡市内の「電気ホール」に全参加選手を集めて、3時半から抽選会は始まりました。事前に予備抽選で抽選地区順を決め、その順番で各校キャプテンがステージ上の抽選箱からボールを引いていきます。ボールを2つに割ると中に紙が入っており、その番号をキャプテンはマイクで報告します。46校が引き終わると、最後にシード4校がドローの4隅を抽選で決めます。シード校以外は完全なフリー抽選ですから、抽選のたびに歓声やため息がわき起こります。当然、ある山にいわゆる「有力校」が集中することもありますし、比較的「勝ち上がりやすい」山に入ることもあります。試合を見る方にとっては、1回戦から見逃せないおもしろい試合があるわけでこたえられないのですが、監督や選手にとっては、まったくの運任せ、悲喜こもごものようです。

○開会式と会場の事 3/22(月)
 「寒い!」と感じて、ホテルで目が覚めました。昨日来の雨はほぼあがったようですが、吐く息がほのかに白いほどの冷え込みでした。博多の森テニス競技場は、東平尾公園の一角にあり、陸上競技場、野球場、弓道場や、サッカーのアビスパ福岡のホームグランドもあり、一大スポーツエリアとなっています。テニス競技場は、95年のユニバーシアードの為に作られた施設であり、センターコート(砂入り人工芝1面)は収容人員3450人を誇り、国内でも有数の施設で国際クラスの競技会の舞台ともなります。それ以外には屋外コート(砂入り人工芝15面)、インドアコート(砂入り人工芝4面)が丘陵地帯にコートごとセパレートされ配置されています。
 開会式は、10時半から、インドアコートでした。開会式最後に行われた始球式には、盛田正明日本テニス協会会長が登場しました。柳川高校女子の福井選手を相手にサービス&ダッシュ、1回目はロブで抜かれたものの、2ポイント目、見事ボレーとスマッシュを決め、万雷の拍手を集めていました。

○ロケーション 3/22(月)
 こんなに交通の便の良い会場も珍しいかもしれません。福岡空港からテニス競技場まではタクシーで5分。私はたびたび歩きましたが、空港からインドアコート正面まで、ちょうど20分でした。福岡空港から、市内へは地下鉄が便利です。2駅目がJR福岡駅、250円です。

○1回戦始まる 3/22(月)
 3/22は13時半から、女子団体1回戦です。午後から風が強まり、その風に乗って雨が時々舞うあいにくの天気でしたが、各コートでは高校の団体戦ならではの応援歌が響き渡り、熱い応援合戦と熱戦が繰り広げられました。この競技場のコートは、コートごと木々でセパレートされ大変雰囲気があるのですが、他のコートの試合状況を簡単にのぞく事が出来ません。上で「あまり試合を見ていなかったのです」と書いたのは、そういう意味で、私は長野県の出場校2校のコートを行きつ戻りつし観戦しましたが、同時に進行している他の試合は全く見る事が出来ず、2日目3日目も同様でした。
 昨年まで全国選抜というと独特の熱気を感じていましたが、あの熱気は人を押しわけへしわけして通った北九州プリンスホテルテニスコートのクラブハウス前(スコアボード下)のイメージだった気がします。今回は会場が広くなり、観客も分散してしまい、あのむんむんする熱気は感じられなくなっていました。まだまだ観客が少ないという事なのでしょうね。皆さん、来年も同じ会場だと思いますので、ぜひ応援に来て下さいね。
 さて、初戦が終わってだいぶたった夕方、雨がぱらぱらと落ちてきました。傘をコートサイドに置き忘れてきた事に気づいて、人気のない一番奥のコートに戻ったところ、先ほど戦っていた選手たちが肩を抱き合ってわんわん声を上げて泣いていました。もう、ずいぶん試合終了から時間が経っているのに・・・。勝っても、負けても、選手たちは本当に一生懸命でした。

○男子団体1・2回戦 3/23(火)
 本日女子はお休み、男子団体戦のみです。天気はすっかり回復しましたが、まだ風はやや冷たい感じです。男子は、あまり歌いません。でも低音の迫力のある応援が各コートに響き渡っています。ひと頃ひんしゅくを買った相手を誹謗するような応援は、最近では全く見られなくなりました。
 女子のところで、書き落としましたが、試合順が昨年までの、D1→D2→S1→S2→S3から、S1→D1→S2→D2→S3に代わりました。作戦的要素を減らし、より力のある選手同士の対決で勝敗を決しようと言うわけですが、1番で出場するエース同士が同じ条件で激突する事になり、エースにかかるプレッシャーはより強まったようです。

○新設の個人戦 3/24(水)
 天気は良好。博多の森からタクシーで10分くらいの九州国際テニスクラブで、本日から個人戦が始まります。出場者は、団体戦2回戦以降敗退した登録No1(エース)であり、ドローサイズは男女各32。フィード・イン・コンソレーションの形式で団体で敗退した該当選手が次々と参戦してきます。このトーナメントは、海外遠征候補を決するものです。ここでUSオープンジュニアと言い切っていないのは、アメリカの選手やコーチの中で、日本にUSオープンジュニア予選(32ドロー)のワイルド・カードを1本与える事への不満や抗議もかなり大きい、と聞いたからです。高体連としては、本年も昨年同様派遣できるよう努力するようですし、そうなるであろうと確信しておりますが、その位大変な事のようです。
 私は個人戦の会場には行けませんでしたが、会場に詰めていた方から、「そちらとは違うテニスが行われている」と教えて頂きました。団体戦の重いプレッシャーから解放された事がまず一つ。しかしそれ以上に、コート・サーフェスの違いが大きいようで、九州国際はすべてハードコートです。砂入り人工芝コートが登場してきた頃、我々は雨が多少降っても大会ができ、イレギュラーのない手入れの簡単なこのサーフェスに、歓喜しました。それ以降全国に急速に普及していきましたが、最近作られる公営施設の人工芝コート、初期のものよりますます球足が遅くなっているように感じるのは、私だけでしょうか?昨年の長崎ゆめ総体の時、シード選手が次々と敗退しました。単に選手の力が拮抗していた事以外の理由があるような気がして見ていました。深く安定してつなぎ続けられ、かつ鍛えられたフットワークと走力を持った選手に対するとき、よほどの力の差がない限り打ち崩す事が難しい状況が発生しています。高体連テニス部長の古賀氏は、数年前から「日本から世界に通用する選手の輩出を妨げているものは、砂入り人工芝」と機会あるごとに言っておりますが、最近の状況を見るにつけ「当たっているかもしれない」とも思います。皆さん、如何お考えでしょうか?

○団体戦2・3回戦 3/24(水)
 1番コートのバックスタンド最前列を埋め尽くした松商学園女子の大応援は、壮観でした。もともと全国有数の応援を展開する当校に、前日敗退した男子部員、同じ北信越地区の他校女子選手たち、更には当日敗退した同県の女子チームが合流し、歌いまくり拍手しまくりで、さすがにジュニアでならしてきた対戦校選手たちも、これにはびっくりしてとまどっていたようです。高校団体戦、それも女子ならではの風景でした。
 3回戦は、試合によってですが、松商−仁愛女子戦は開始時刻が遅れ、照明を点けての試合となりました。空港が近くて助かりますが、残念、試合半ば空港へ向かいました。

○試合速報が気になって 3/25(木)〜27(土)
 仕事をしながらインターネットをちらちらと見ています。皆さんも同じでしょうか?今大会の公式サイト(主催の読売新聞西部本社による)は昨年までにも増して充実していました。速報はもちろん、ニュース&トピックス、スナップ写真集など非常にタイムリーに掲載されています。
 気になる結果は、男子優勝は柳川高校(福岡)で、堂々の4連覇でした。勝ち続ける事は並大抵の事ではありません。その意味では、昨年夏の総体に続いて頂点を制した園田学園も、また同様です。両校の選手、関係者の皆さん、おめでとうございました。なお、女子決勝は、4月4日15時〜16時、NHK教育にてテレビ放送があります。皆さん、ぜひご覧下さい(多くの方に見て頂かないと次回から放送してもらえないのです!)。
 女子決勝の対戦相手、仁愛女子を誰が予想したでしょうか?仁愛は、1回戦から北海道1位、近畿2位、北信越1位、中国1位、関東1位を撃破して決勝に進みました。そのすべての学校が偵察の過程で「仁愛には勝てる」と感じていたのではないでしょうか?決勝戦のテレビ放映は、園田の勇姿とともに、仁愛女子の秘密を映し出すかもしれませんね。

 会場が北九州市から福岡市へ移り、補助員の生徒の皆さん、役員の皆さん。さぞや大変だったと思います。本当にご苦労様でした。
 4月になると、また全国総体(8/1〜、岡山県備前市)目指して各都道府県の大会が始まります。全国の選手の皆さん、頑張って下さい。            (文責:管理者 下岡隆志)