見せる大会、魅せるテニス
平成15年7月13日 管理者
 長崎ゆめ総体まで、もうあと2週間。選手の皆さんは、はやる気持ちを押さえて練習に励んでいることと思います。雑誌や新聞に「有力校展望」という記事が踊る時期となりましたが、選手の皆さんは誰もが都道府県では、憧れのスーパースターです。対戦校、対戦相手の「名前」などに負けていてはだめですよ。所詮同じ高校生、気持ち一つで何が起こるかわかりません。特に団体戦はそうですよね。気迫を込めて、持てる力を十二分に発揮してください。

 全国総体テニス競技は年を重ねる毎に運営も立派で華やかになりつつあります。今春の全国選抜では、念願のテレビ放映も始まり、今大会でも女子団体決勝戦が放送されますし、会場へ見に来てくださる観客の数も着実に増えてきています。皆さんもぜひ会場に来て、熱い戦いと、高校生の迫力ある応援をご覧下さい。

 しかし「見られる」事、さらに「愛される」為には、非常にシビアな面も要求されるようになります。単に「勝つため」だけの高校テニスから、テニスファンはもちろん、それ以外の人にも楽しんで見てもらえるような高校テニスに、私たち全員が変わっていかなければならないからです。

 選抜大会のテレビ放送の後、某有名大学で教授をされている方から、マナーの面で非常に厳しい内容のメールを頂きました。指摘されたのは、「試合中コートに唾を吐いたり、勝利を収めるや否や、敗者と握手もせずにチームメートと抱き合っている…」、という2点です。後者は毎回春夏の大会ごとに繰り返されるシーンで、生で見ている時はあまり感じませんでしたが、テレビで見て私自身同様の不快感を感じました。また、勝利の瞬間後方へ投げ上げられたラケットは、いったいどうなったのでしょうか?…。テレビ画面は冷徹です。事実を余すところなく映し出しますし、何度でも再生してしまいます。
 また、別の方からは、「ガッツポーズに違和感を覚える」というメールがありました。「ウィンブルドンを見ていて、本当のスーパーショットを放ったその後で、また大ピンチを逃れたショットの後で、小さく握るガッツポーズは本当にかっこよく、しびれてしまいます。もちろん相手を威嚇したり威圧するようなものではないにせよ、全ポイント毎にガッツポーズをつくり声をあげる選手を見ることにはいささか食傷気味でした…」。選手は必死に自分の気持ちを高めているわけですが、テレビの前で冷静にテニスを見ている視聴者との間に一体感が出来ていないという事なのでしょう、これもテレビ放送ならではの問題ですね。
 また、三重県からは、「スポーツショップの店員として、地元の学生たちに、全国のテニスのレベルを知ってもらうためにも何らかの方法でみせてあげたいと思っています。そこで、スポーツショップやテニス専門店、テニスクラブに向けて、ビデオかなにかで配布、もしくは販売をして頂けないでしょうか?」、こんなメールも届いています。

 長崎ゆめ総体に出場する都道府県代表選手の皆さん!、皆さんがこの大会で何を学び、何を地元都道府県に持ち帰ってくれるのか、その点も楽しみにしています。地元高校生選手達は、あなた方のプレーや行動をいつも憧れの眼で見ているのですよ。本大会を通じて心身共に皆さんが成長することが、実は地元都道府県のレベルアップにつながっていくのです。