中学校にテニス部を!
平成15年1月17日 管理者
国立競技場につめかけた5万を超える観衆の前で華々しく決勝戦を行った高校サッカー選手権、思わず感動させられた人も多かった思いますが、そんな状況を見るにつけ、テニスを愛好する私たちにとって「テニスをメジャースポーツに!」という思いも、いっそう深まったのではないかと思います。
テニス人口の拡大は急務であり、テニス協会を始め各所で対策は取られているわけですが、底辺拡大を阻害している一つの大きな要員に、「中学校にテニス部が少ない!」という問題があると、私は思います。私の住む長野県では、平成13年度の高体連テニス競技登録校は71校、選手数は2,149名でしたが、同じ年の中体連テニス登録校は、何校だと思いますか?答えは、なんと0校、登録者は0人です!。なんだ!長野県お寒いじゃないか、と思わないで下さい。登録校0の都道府県は、北から北海道、青森、宮城、秋田、群馬、神奈川、長野、新潟、石川、静岡、愛知、滋賀、鳥取、徳島、長崎、大分と16に及びます。同年の全国中体連テニス競技登録校は705校、登録者23,787名で、そのうち東京の337校と大阪の113校が抜きんでており、全登録校の64%に及びます。(しかも悲しいことに、中体連におけるテニス競技は、正式種目ではなく、参考種目でしかないのです![データは全国中学校体育連盟HPより引用])。
このことは、都会にはジュニアを育成できるクラブが多数あり、ジュニア選手が多く中体連大会にも出場しているという事が考えられます。では、地方の中学生にはテニスに対する需要がないかというと、以下の高校についてのデータを見て頂くとわかる通り決してそんなことはなく、受け皿がない、もしくはあまりに小さいために多くの中学生がテニスをあきらめている現状がある、と考えられます。
私たち長野県でも、この状況に対して高体連テニス部、中学校テニス連盟(テニスを愛好する先生方)、県テニス協会が一丸となり、数年来「中学校にテニス部を」という運動を行い、講習会の開催、テレビ局・新聞社への協力要請、PTAなどへの呼びかけ等行ってきましたが、なかなか立ちはだかる壁は厚く、本年度ようやく1校加盟にこぎつけたという状況にとどまっています。
では、全国高体連におけるテニス部の状況はというと、以下のような状況となっています。[データは全国高体連HPより引用]
H14全国高体連登録者数 [( )内はH13年度からの増減]
順
位 |
専門部 |
男 子 |
女 子 |
全国
加盟者合計 |
加盟校数 |
加盟者数 |
加盟校数 |
加盟者数 |
1 |
バスケット |
4369(-17) |
97486(-1771) |
3960(-31) |
64163( +119) |
161649(-1652) |
2 |
サッカー |
4250(+41) |
144508(+8896) |
|
|
144508(+8896) |
3 |
バ レ ー |
3367(-91) |
49874(-2063) |
4310(-24) |
72390( +464) |
122264(-1699) |
4 |
テ ニ ス |
2856(+60) |
72606(+8137) |
2753( +4) |
42976(-1451) |
115582(+6686) |
5位=陸上96222[-2164]、6位=バドミントン92119[-5323]、7位=ソフトテニス88400[-1143]
ご覧頂いてわかるとおり、全32種目中4位の登録者数を有し、全国的な少子化、運動部離れの傾向が続く中、男子はワールドカップブームが続くサッカーに負けない勢いで増加を続けています。これは、まさに「テニスの王子様」ブームの影響であるわけですが、問題は女子の減少率であり、微増しているバスケ、バレーに比較するまでもなく、ソフトテニスの減少率と比べても、著しく大きくなっています。この原因は、実は不明なのですが、屋外で日焼けするスポーツが敬遠される傾向が強いと指摘する人もいます。都会の屋内クラブコートで練習できる環境と違って、地方のテニスは屋外スポーツなのです。全国大会へ行くと、白くすらりとした都会の選手と、真っ黒に日焼けした田舎の選手が対戦しているシーンをよく見かけ、それはそれでなかなか楽しい光景なのですが……。
今回の記事は、つい力が入り固いものになってしまいましたが、中学校の現状と高校の現状を見比べて頂いて、中学生には膨大なテニスに対する需要が眠っていること、わかって頂けたと思います。最後に、この記事を書くに当たって、私を非常に勇気づけてくれたコラムがありますので、皆さんにも紹介します。高校テニス部の現場で、自分の時間やお金をかえりみず指導をして下さっている顧問の先生方も、きっと勇気づけられると思います。
ご存じ、伊達公子さんのオフィシャルサイト、www.kimiko-date.comの、COLUMN、日経SPORTPIA掲載の記事。そのタイトルもズバリ、「中学に硬式テニスを」です。(リンク許可が未了ですので、入力してお入り下さい)
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